はじめに
こんにちは!
小泉研究室B4の小湊咲です.
2024年12月3-6日に東京国際フォーラムで開催されたSIGGRAPH Asia 2024にて,ポスター発表をしましたので,ご報告をさせていただきます.
研究概要
私たちは,空中像に触れる際に知覚される空中像の奥行位置と立体感を測定するために,指さし手法を提案しました.空中像に触れる際,空中像の正確な奥行位置を把握することが難しいことや,2次元平面上に結像している空中像に対して立体感を感じる現象が観察されました.そこでユーザーが知覚する空中像の奥行位置とその立体感を測定するために,空中像に直接指を持っていく指さし手法を提案しました.
具体的には,球体の映像を2次元表面上に空中像として表示し,その球体の前面(=最も手前に出ている部分)と天頂(=最も上に出ている部分)の2か所を指さししてもらいました.前面の指さし位置は,ユーザーが知覚する空中像の奥行位置を示し,前面から天頂までの指さし位置の差は,ユーザーが知覚する立体感(厚み)を表します.
実験の結果,球体の前面は結像面上,または結像面よりやや後方に知覚されることがわかりました.また,2次元の空中像であっても,実物の球体の80%程度の立体感を知覚できることが確認されました.今後は,テクスチャや陰影,大きさ,アニメーションなどの要素が空中像の立体感に与える影響について調査する予定です.
論文情報
Saki Kominato, Miyu Fukuoka, and Naoya Koizumi. 2024. Perceiving 3D from a 2D Mid-air Image. In SIGGRAPH Asia 2024 Posters (SA '24 Posters). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, Article 49, 1–2. DOI:https://doi.org/10.1145/3681756.3697900 (PDF)
感想
国際学会初参加ということで英語で発表できるか不安でしたが,日本開催であったため,説明した人の半分が日本人でした.そのため良い緊張感をもって発表に臨めました.学会自体は展示やイベントのような催しが多く,非常に楽しいものでした.特に,企業の製品や学生の作品を間近で見て体験するという経験ができて良かったです.次回参加する機会があれば,また様々な展示を見て周りたいと思います.